松戸市民劇団のアトリエ「劇舎(しばいや)」公演がありました。劇舎と書いて「しばいや」と読むそうです。2DKのマンションを改造してできています。もうできてから20年もたつそうです。ここで、練習したり、演劇談義を交わしたり、歌ったり踊ったり・・・。ここに長椅子を並べて、芝居を見せるのです。昔のアングラ劇場のようです。お客様はせいぜい40人も入るのでしょか?とにかく目の前で芝居を見るので迫力もあります。 さて、今回の公演は劇団員の田中秀樹君の新人公演です。新人というから最近入ったのかと思いきや平成14年の12月だそうです。もう、3年余りたっています。前の劇でもとても上手でした。新人とは思っていませんでした。素朴で味があるのです。 今回の「二十二夜待ち」では母親想いの青年藤六役で、これまた、田中君のイメージにぴったり。座長の石上さんもよく心得ていて、この芝居を選んだそうです。本当にこんなに優しい青年がいるんだろうか???そうなんです、彼は日常でもまさしく素朴でやさしい青年なのです。去年、かわいい奥さんをもらい、奥さんも本当にいい人・・・二人でやさしい家庭を営んでいるようです。 「二十二夜待ち」について・・・。「夕鶴」で有名な木下順二先生作の民話劇です。民話劇は熟練した役者がやらないと学芸会になってしまう難しい芝居なのだそうですが、今回座長石上瑠美子さんの演出により、劇団員たちもよくはまり、ロマンたっぷりの趣のある芝居が完成しました。 「二十二夜待ち」とは「月待ち」と呼ばれる民間信仰のひとつで、十五夜から一週間後の「下弦の月」が昇ってくるのを待ちながら仲間で集まり飲食を共にし、経などを唱えて月を拝むといった一種の「講」だそうです。そうすることで、悪霊を追い払い無病息災を祈るとされ、また、紅く光りながら昇る月の光は仏の慈悲を帯びているともされていたそうです。 能一は二十二夜待ちで集まった村人の役でした。「私たちの住む社会(農村、漁村、山村)は生業(なりわい)を中心とした運命共同体の集まりでした。生活の営みが地域とのかかわりに大きく左右されながら、当たり前のように先人たちを敬っていました。役を演じさせてもらい、忘れかけている大切な心を思い出させてもらいました」 こちらの写真は松戸市出身の石井あす香さんと、よしかず、副団長の向後直樹君です。石井あす香さんは、ちょっとマイナーな(?ロードショーではない)映画に出演しています。去年は鳥取県の生んだ作家小野町子役で「こほろぎ嬢」という映画で主演されました。これは、松戸市民劇場でも上映されましたが、とても難しい映画でした。今度、7月31日から8月3日まで、新宿のシアターサンモールで「SO WHAT2」~アナタの中の堕落~というスピリチュアルでグロテスクな舞台をやるそうです。踊りもあったりとても楽しい舞台のようです。お時間があったら出かけてみてください。 ☆お忙しい中、たくさんの方においでいただき本当にありがとうございました☆
by yoshikazunet
| 2008-06-15 22:25
| 松戸市民劇団
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